剣道防具について

剣道防具にとって重要なポイントは

  • 安全で
  • 丈夫で
  • 使い易いこと

たったこの3点なのです。
良い素材、好みの装飾などあるとは思いますが
大前提としてこの3点を抑えていなければ
大切なお体を守る「防具」とは言えません。

安全

剣道は剣術を競技化した武道です。
竹刀を用いて一対一で打突しあうので当然危険性を伴います。

防具を着装しているのに、有効部位を打突されてケガをしてしまうようなことはあってはなりません。
実戦向きで軽量な防具もございますが、その方の経験値や実力に応じた「安全な」防具を使われることを強くお勧めします。

ただ、安全性だけを重視し、単純に厚みを持たせるだけでは防具が重く感じてしまい、使い易さを損なってしまう場合がございます。
当店ではお客様の要望に合わせて表地の素材や生地の番手、鹿毛の量、芯材の1枚までこだわりにこだわっております。このようなオーダーメイドによる防具作りによって、使われる方のご希望に合わせた「安全性」を追及しております。

鹿毛

丈夫

使われる方によって求められる防具の丈夫さは異なります。
毎日の稽古に励んでいると当然防具の傷みも出てきます。
折角購入された防具がすぐに傷んでしまい、修理に出さなければならなくなってしまったらどのように思われるでしょうか。
例えば剣道を始めたばかりの子にそんな不幸が舞い込んできてしまったら剣道に対する意欲は薄れてしまうかもしれません。

週1、2回の稽古をされる方と毎日部活に励む高校生では防具の傷み具合は全く別のものです。
当店ではその方の稽古量に応じた、適した防具の丈夫さを提案しています。
例えば面金をジュラルミンからチタンへ変更したり、甲手の手の内の素材を鹿革からクラリーノ(人工皮革)へ変更したりです。
指導者で元に立たれる方へは打突部位の布団をより厚くするよう勧めております。

使われる方に寄り添った細やかなヒアリングとオーダーメイドだからこそ実現出来る、「丈夫な」防具を追及し続けます。

鹿革
クラリーノ

使い易さ

剣道の防具は採寸の箇所がとても多いです。
オーダーメイドだからこそ、より使い易く出来る工夫が沢山あります。

一般的には
・顔のサイズ(顔の周囲、鉢巻の周囲)
・手のサイズ(長さ、幅)
・身長
・体重
上記寸法を確認して準備するケースが多いですが、これだけでは本当に使い易い防具を準備するのは難しいと思います。

面に関しては顔のサイズだけでなく物見(顎から目までの高さ)の寸法を確認することが絶対条件ですし、その方の体格に合わせて面布団の長さや幅を合わせていかなければなりません。
前述のした面布団の芯材の厚さも使い易さを左右します。
使われる方のオデコや顎の特徴に合わせて天地の綿の分量を調整する必要性も出てきます。

甲手は手の内の素材が違うと全く別物になります。
使い易さを追求するのであれば鹿革をオススメします。
サイズに関しても手の内のサイズだけでなく、上段をとられる方であれば、腕に掛かりにくい筒のカーブを強調している上段用の肘をご提案します。
甲手の使い易さは一見、手の内だけに目が行きがちですが、その方の握りに合わせて頭の部分はもちろん、手首の寸法も調整することが可能です。

通常筒(左)/上段用筒(右)
胴はまず性別によっても高さと巾の設定が大きく変わってきます。
女性に関しては男性に比べ腰の位置が高いケースが多いので胸と胴台のバランスを慎重に検討していきます。
女性だと胴台の側面がお体の半身より後ろ(背中側)になってしまうケースが多いので、人によっては胴台の両脇をカットし、垂の側面とのバランスを良くして機能性だけでなく立ち姿も美しくなるように調整しております。

垂は防具の中で軽視されがちな傾向にありますが下半身を守る機能性はもちろんのこと、立ち姿の美しさを左右する重要な防具です。
使い易さだけを追求すると軽くて薄い垂を求められるケースが多いですが、あまり薄いと腰を痛める原因となります。
帯や大垂、小垂の厚みと寸法が使われる方にピッタリ合っていれば重く感じたりはしないはずです。
逆にオーバーサイズであったりすると帯の部分を締めきれなかったり大垂に引っ掛かりを感じるようになってしまいます。

長くなりましたが、上記の内容はあなたにピッタリで使い易いオーダーメイドの防具を準備する上で確認する内容のほんの一部です。
実際にはより細かく、時間をかけて確認させて頂いております。
既製品ではここまで使い易さを追い求めることは難しいです。
オーダーメイドだからこそ具現化出来る「使い易さ」をご体感下さい。